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TORICI

2018.10.17category:アイテムのお話

TORICIさんにお声掛けいただき初めて展示会でお会いした時から、ニットに対する熱い思いと考え方、こだわりがとても面白くて素敵だなとずっと思っています。

同時代ギャラリー
まだうら寒い三月下旬、中京区にある同時代ギャラリーにニット達は並んでいました。
TORICIさんのニットを見た最初の印象は、とにかく綺麗。ニットについて知識のない私はなぜそれらが美しく見えるのかその時は分かりませんでした。

発色

TORICIさんと話し、会う回数を重ねて今少し分かるのは、美しさの理由はそれぞれのニットがその形に最適の糸と編み方で作られているからだという事です。

 

ニットの編み方としては主に手編み・自動機編み・家庭機・手横(手動式横編み機)の四パターンがあります。
手編みはその名の通り、作り手が一つ一つ手を動かし時間を掛け作り上げられたニットです。毛糸の撚りに関わらず編むことが出来、毛糸特有のふんわりとした雰囲気を出すのに最適な編み方。手で作られるが故、編地に少しのずれや不揃いな部分も存在しますがそれこそが手編みニットの良さであり風合いを存分に楽しむことが出来る編み方です。

次の自動機編みは、現在ニットのほとんどがこの編み方で編まれているニット生産の主流となっているものです。こちらは編む時に人が手作業で何かすることはありません。
内蔵されたコントローラーにプログラミングデータを取り込み、操作パネルで度目や速度などに微調整を加え、機械が編むという流れです。自動機は編むスピードが速くそしてプログラム通りに正確な編地で編まれるのでハイゲージのニットなどは特に美しく見える編み方です。

三つ目の家庭機とは、手編みに近い風合いで編む事が出来る手動式の編み機です。手を左右に動かしながら機械と共に編む家庭機は、手編みに比べ格段に速く編めるもののその機械を使いこなすには手編みと編み組織の構造を把握しておく必要があり、かつ技術を習得するまでに沢山の修練が必要となります。

最後の手横とは、こちらも手を動かす事で機械が編地を作ってくれる編み方ですが家庭機に比べ編むことの出来る編地の幅がぐっと広がります。伸縮を抑えたミラノリブなどを編むことも出来、様々な風合いのニットを編むことが出来ます。
こちらもつかいこなすまでに沢山の労力と時間、そして場所を取る為国内では現在ほどんど使われていません。

上記四つの編み方にはそれぞれにメリット・デメリットが存在します。この特性を把握したうえで、四つすべての編み方を方法として用いながら作り上げられるTORICIさんのニットにはどれぞれに明確な風合いの違いと良さを感じる事が出来ます。それがTORICIさんのニットの素敵なところ。

SESIA

ウールセーター

また、編み方の多様性に加えTORICIさんニットの最大の特色が、その色の美しさ、発色の良さだとfutanaは思います。
TORICIさんのニットは、撚糸の魔術師とも言われているイタリアのSESIA社の糸が使われています。日本ではなかなか見る事の出来ない発色の毛糸。独特の撚りによって得られた膨らみと光沢感はカジュアルな形のニットの奥底に上品な雰囲気をプラスしてくれる
魔法のような糸です。ニットの表情を左右する糸。そこにも最大限のこだわりをもってニットを作り出すTORICIさんの熱意に賛同して、futanaでもそのお洋服をお取り扱いさせていただくに至りました。

airカーディガン

 

あれこれ難しいような事を書いてしまいましたがTORICIさんのニットは何よりもニットでしか表現の出来ない特有のやさしさ・風合い・雰囲気を最大限に楽しませてくれる、そう強く思います。

寒さを気にすることなく秋冬を堪能させてくれる暖かさを味わいに是非futanaへお越しくださいませ。

 

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